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刑事事件|慰謝料

刑事事件の慰謝料について、この記事では解説しています。刑事事件で立件されると、被害者と示談を成立させることが大切です。慰謝料は、示談において、最も重要な要素となります。

Q 刑事事件と慰謝料の支払いって、何が違うのですか?罰金とは違うのですか?

たとえば、人を殴ってしまって怪我をさせてしまった場合には、傷害罪となる可能性があります。傷害罪も、怪我の程度によっては罰金刑が科されることがあります。

罰金刑は、行った行為に対し、国が加害者に科す「罰」です。したがって、罰金刑を納める相手は国になります。被害者ではありません。

その一方で、相手に対し怪我をさせた行為、今回ならば殴る、という行為ですが、これは、民事上「不法行為」に該当する可能性が高いです。

不法行為が行われた場合、その程度に応じ、被害者は、加害者に対して、「損害賠償請求」を行うことができます。これは、上記に記載した「罰金刑」とは全く別のものです。

「損害賠償」を「慰謝料」と表現することもあります。厳密には、損害賠償と慰謝料はイコールの関係ではありませんが、少しややこしいので、その説明は省きます。

罰金刑と慰謝料は、納める相手も違いますし、支払の法的根拠も違います。したがって、罰金刑と慰謝料を両方支払わなければならないこともあります。また、罰金刑が科されたからといって、慰謝料が免除されるわけではありません。

刑事罰 民事責任
刑事事件が発生した場合 罰金刑その他刑事処分(実刑判決など) 慰謝料、治療費など損害賠償
金銭を納める相手 被害者、被害者の家族など

Q いずれにせよ、罰金を払うのであれば、被害者に慰謝料を支払う必要はあるの?

事案にもよりますが、多くの刑事事件では、最終的な処分に、被害者との示談が大きく影響します。

最も影響があるのは、検察官が起訴するか、不起訴にするか、検討する前の段階です。示談が成立すれば、不起訴、すなわち刑事処罰を今回はなしにする、という処分をすることもあります。

示談がまとまって、被害者に慰謝料などの支払いが終わっているのであれば、罰金刑の支払いをしなくてよい、という処分が出る可能性があるのです。

罰金刑を超える、比較的重い罪の犯罪であっても、判決までに示談をすることは、有利な情状として考慮される可能性が十分にあります。場合によっては、示談が成立することで実刑判決(刑務所に服役しなければならない刑事罰)を回避し、執行猶予付判決になる可能性もあります。

刑事処分 民事責任
示談あり 有利な情状になる。
場合によっては不起訴処分になることもある。
示談時に一括して解決できる場合もある。
※後述
示談なし 特に変化なし。 損害賠償責任が残る。

Q 示談が処分に対して有利になるのはわかりました。示談をすると、民事上の責任はどうなるの?

示談は、訴訟外での活動になりますから、様々なパターンがあります。

最も典型的なものは、きちんと示談書を作成し、民事上の問題は、この示談をもってすべて解決する、という形をとることです。きちんとした形で示談が成立すれば、民事上の問題も解決するケースが非常に多いです。

他方で、示談をせず、民事上の問題を解決しないまま、刑事処分が出てしまう場合、示談の影響を受けない状態で刑事処分が出る上に、後日訴訟などを通じて損害賠償請求がなされるケースもあります。

もちろん、事案によりますが、刑事処分が出る前に示談をすることは、刑事上も民事上も有利にはたらく可能性が極めて高いといえます。

Q 示談が有益なのはわかりました。では、どうやって示談をすればいいの?

結論から申し上げれば、ケースバイケースです。事案によっては、ご自身で示談を締結することも可能です。

しかし、きちんとした形で示談ができていない場合には、双方が納得せず、紛争が再燃してしまうこともあります。

最も問題なのは、示談を持ちかけたところ、逆に怒りをあおってしまうことです。その場合、処罰感情が高まり、被害者が厳罰を希望するケースもあります。

示談の成立はもちろん、円滑な示談成立のためには、示談経験豊富な弁護士に依頼することが、一番適切な方法です。

弊所は、これまで多数の刑事事件を取り扱ってきました。刑事事件は、1件あたり、複数人の被害者がいることもあります。そのため、弊所の弁護士は示談の経験も多く積んでおります。示談がご希望の場合には、一度弊所にご相談ください。

メリット デメリット
自分で示談を行う ・費用がかからない。 ・そもそも、示談が開始できない可能性がある。
・示談交渉がうまくいかない場合がある。
・示談書の記載方法がわからない。
弁護士に依頼する ・アトムなら、示談交渉経験豊富な弁護士が対応。
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※あくまで一般論です。個別の事案によって異なります。